胃と口臭の関係

「胃の具合が悪いと口臭が発生する」という考え、一般にはかなり浸透していますよね。ところが、たいていの医師はこの考えをきっぱりと否定します。

「胃は物を飲み込む時以外、括約筋で閉じられています。よって、胃で発生したにおいが口から感じられるのは、げっぷの時以外はまずありえません。胃の出口が詰まるような重病ならばともかく、胃炎程度では口臭の原因にはなりません」

なるほど、筋が通っていますよね。実際、口臭の原因の8割以上は、口腔内のトラブルだとも言われています。

しかし、

「胃の病気をわずらっている間は口臭がひどかったが、それらの病気が治ったら口臭も消えた」

という体験談、結構多いのです。

・・・これは一体どういうことなの?と混乱してしまいそうですが、医師によれば

・当人がげっぷのにおいを口臭と勘違いした
・胃をわずらうなどの体調不良が原因で、唾液の分泌が減り、口腔内の細菌が増加して口臭を発生させていた
・消化不良で胃が異常発酵を起こし、それによって発生したにおい物質が腸で吸収され、肺から放出されて口臭となっていた

などが考えられるそうです。

つまり、「通常、胃から口に直接においが上がってくることはないが、胃の不調が原因で口臭が発生することはある」と言えそうです。胃の調子を整えることも、口臭予防の一助になるわけなのですね。

口臭に気づいたら、まずは歯や口腔内のトラブルを疑ってみる。そのうえで思い当たる節があれば、胃のことも気にかけてみるのが良いかもしれません。