親知らずと口臭の関係
口臭予防をするうえで、厄介なのが親知らずです。
誰にでも生えるものかと思っていたら、実は全体の3割程度の人には、親知らずが存在しないのだとか。なんだか羨ましい気がします。
本来ならまっさらな歯が新たに生えてくるのは、喜ぶべき事態のはずですよね。しかし実態は、口の奥の狭いスペースに無理やり生えてきて、それも多くが斜めや横倒しになっている、というもの。
ただでさえ歯ブラシが届きにくいのに、まっすぐ生えないために余計に磨きにくく、虫歯や歯肉炎になりやすいとされています。口臭予防の為には、どうもありがたくない存在と言わざるを得ませんね。
また、口臭の話を別にしても、親知らずは困りもののようです。歯肉炎を繰り返し、しばしば腫れや痛みが発生するだけでなく、「口底蜂窩織炎(こうていほうかしきえん)」という病気に至ることがあるのだそう。
顎の内側下方には、蜂の巣のように隙間だらけの部分があり、ここに膿が溜まることを口底蜂窩織炎と言います。重症の歯周病や虫歯、親知らずの腫れなどから顎の内部に感染が広がり、起きるのだそうです。口臭どころではない、一大事ですよね。
また、滅多にないことではありますが、口底蜂窩織炎が重症化すると命にも関わります。
日頃から体に気をつけ、免疫力を落とさないことが何よりですが、歯科で診てもらうことも大切です。
親知らずがよく腫れる、という人は炎症に慣れっこになっているかもしれませんが、余り油断せずに早めに処置してもらいましょう。